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2011年灘中入試2日目

2011年度 灘中2日目 5 

5個の整数に対して次の①,②をこの順に行うことを1つの操作Aとします。

   ① さいころを1回投げ,出た目の数を5個の整数それぞれにかけます。

   ② ①で得られた5個の整数をそれぞれ6で割って余りを求め,5個の整数それぞれを
      その余りにおきかえます。
      ただし,割り切れるときは,余りは0とします。

5個の整数がはじめは 1,2,3,4,5であるとき,操作Aを3回くり返して行ったあとにできる5個の整数が何種類になるか考え,この種類の数をxとします。

たとえば,1回目の操作Aで3の目が,2回目の操作Aで5の目が,3回目の操作Aで4の目が出たとき,
5個の整数は

 (はじめ)     (1回後)     (2回後)      (3回後)
 1,2,3,4,5 → 3,0,3,0,3 → 3,0,3,0,3 → 0,0,0,0,0というようになり,

x=1になります。

さいころの目の出る順序も区別するものとして,次の問いに答えなさい。

(1) x=5であるようなさいころの目の出方は何通りですか。

(2) x=3であるようなさいころの目の出方は何通りですか。

(3) x=1であるようなさいころの目の出方は何通りですか。


解説
(1)   23=8(通り) 
 
(2) 43-23=56(通り)

(3) (63-43)-(33-23)=133(通り)



(1) 5種類ということは2の倍数にも3の倍数にもならないということです。 
   2の倍数にも3の倍数にもならない目は 1と52つだけです。

(2)  3種類ということは2の倍数で3の倍数にならないということです。  
    3の倍数にならない目は1と2と4と5です。 
         この4つを使ってできるもののうち2の倍数になるものを除きます。 
         この4つのうち2の倍数でないものは1と52つです。 
    2の倍数になるには1つでも2の倍数が入っていればかまいません。 
         このようなときは余事象という考えかたを使います。

(3)  1種類ということは6の倍数ということです。 
         6の倍数の作ろうとすると場合わけが大変なので 
         余事象という考えかたを使います。 

               (63-43)-(33-23)=133(通り) 
         3の倍数(のうち)奇数だけで3の倍数(になるものを除く) 




以下はさんすうLAB.でNo.35で学習した渋谷幕張の問題です。

0から9までの数が書いてあるカードが1枚ずつ,合計10枚の力-ドがあります。
この10枚のカードを中の見えない袋に入れてよくかき混ぜます。
この袋からカードを1枚取り出し,書いてある数を記録したあとカードを袋にもどします。
この操作を3回繰り返して,記録した3つの数をかけ算してできる数について次の各問いに答えなさい。

(1)  一の位が0または5になるような,カードの異なる取り出し方は何通りありますか。

(2) 一の位が5になるような,カードの異なる取り出し方は何通りありますか。

(3) 一の位が0になるような,カードの異なる取り出し方は何通りありますか。

解説 

(1)  103-83=488通り  (2)  53-43=61通り  (3) 488-61=427通り


いかがですか。この問題の本質は平成9年の灘中の過去問と余事象です。
どちらももみなさんの知らない考えかたではありません。

いろんな塾や本が場合分けの解説を出していましたが、本質はたった1つの式に表されます。
もちろん、この式を一生懸命覚えても来年合格というわけにはいきません。

普段の勉強から1つ1つの意味を考え,自分の手で創りあげていくことが算数の醍醐味です。
最近は解答をよく読んで覚えるといった暗記に頼った算数の勉強をする子が多いと思います。


算数はルールや覚えることはたくさんありません。


大切なのは、たくさんの視点を持つこと、自分の手で組み立てること。


自分らしく大きな目標に向かってがんばっていこう。






~子どもたちの算数学習に携わる方がたへ~

今年の問題で自分なりのアプローチを示してみました。
大手の塾や出版物でいろんな解説がなされていますがポイントは丁寧な場合わけです。
みなさんがこの問題を再考されるきっかけになればと思います。

大手の塾で10年以上やってきましたが,最近の子どもたちの学習環境について少し思うところがあります。
過騰なシェア争いと商業的な側面から子どもたちの負担が増大し,それだけならよいと思うのですが,
結局そのために多くの子どもたちが算数の本質や面白さに辿り着かずに中学受験を終えてしまいます。

さんすうLAB.は生徒数50名弱の小さな教室ですが,
昨年度は灘中,甲陽,女学院をはじめとする最難関校に進学されたかたがたくさん在籍されました。
単科の教室なので実績数は差し控えさせていただきますが,
昨年度における教室の灘中合格者の平均点は147.7点と算数において一定の効果を上げることができたと思います。

さんすうLAB.で今取り組んでいることは自分の手で組み立てるということです。
それなりの効果が出たといっても今のやりかたで100%全員に有効かといえばそうではありません。
今年は全員のノートを添削したりと少しずつ新しい方法を模索しています。

この先,確実に時代は変化すると思います。

今年の灘中の問題は簡単でした。
合格された子どもたちもそう言っていました。
ただ平均点を見ていると過去最低水準です。

量をこなし、理解できない部分は詰め込んで、毎週与えられることをこなしていく
受動的な要領のよい従前のやり方とはちがうことに気づいた子どもたちだけが
170点オーバーがとれるのではないかと思います。

さんすうLAB.としてこの課題に真剣に取り組みたいと思っています。


『算数の本質を追求すること』,

『中学受験の新しいアプローチを確立すること』

もしよろしければこのようなことを研究する勉強会を発足しませんか?

講座を増やすことではなく,減らすこと,解法の研究だけでなく
カリキュラム自体から構築していくということを目的とする勉強会なので
大手塾の先生や個別指導の先生はお断りします。

子どもたちに最善のものを提供したいという志で何かを共有できれば良いかと思います。
その情熱と時間を少しだけ分けていただけませんか。
興味があるかたはご連絡ください。


子どもたちの未来のため,一緒にがんばっていきましょう。


さんすうLAB. 倉田 泰成

sansulab@yahoo.co.jp